接地抵抗計算(A/B/C/D種接地工事)
接地棒の長さ・直径・本数・土壌抵抗率から接地抵抗値を算出。A種10Ω・C種10Ω・D種100Ω・B種(150/Ig)の規定値と自動照合。
次はこんな計算どうですか?
この計算と合わせて使われることが多いツールです
接地線(アース線)サイズ選定計算(内線規程・C種/D種)
過電流遮断器の定格電流から接地線(アース線)の太さを内線規程の選定表で即選定。計算式 A=0.052×In の理論最小値・機械的強度の下限・接地極線の14mm²緩和まで一括表示。低圧C種・D種接地工事に対応。
避雷針 保護角計算(JIS Z 9290-3 / 旧JIS A 4201)
LPSクラスⅠ〜Ⅳと受雷部高さから保護角・保護半径・保護面積を算出。新JIS(Z 9290-3:2019 / A 4201:2003)と旧JIS(A 4201:1992)の3規格に対応。
ブレーカー選定
負荷電流や消費電力から、適切なブレーカー定格電流(AT)とフレームサイズ(AF)を選定します。
解説
接地抵抗計算は、 接地棒の長さ・直径・本数と土壌抵抗率から、接地工事完了後に得られる接地抵抗値を見積るものです。 電気設備技術基準の解釈に定められたA種・B種・C種・D種の規定値と照合し、 本数や接地極形状の妥当性を検討するために使います。 高圧設備の接地系統は、避雷針 保護角計算で算出した受雷部の引下げ導体接地と一体で計画する必要があります。
接地工事の種類と規定値(A・B・C・D種)
電気設備技術基準の解釈 第17条で、接地工事は機器の電圧区分・用途に応じてA〜D種の4種類に区分され、 それぞれ抵抗値の上限と接地線の最小太さが定められています。 B種接地の遮断時間はブレーカー選定と直結しており、 高圧電路を1秒以内に遮断できる装置を備えると規定値が緩和されます。 4種の規定抵抗値・接地線の最小太さ・適用対象を一覧で引くなら 接地工事の種類早見表 をご覧ください。
| 種別 | 適用範囲 | 抵抗値 |
|---|---|---|
| A種 | 高圧・特別高圧機器の鉄台・金属外箱、避雷器 | 10 Ω 以下 |
| B種 | 高圧/特別高圧と低圧を結合する変圧器の中性点 | 150/Ig 以下 |
| C種 | 300V 超過の低圧機器の金属外箱 | 10 Ω 以下 |
| D種 | 300V 以下の低圧機器の金属外箱 | 100 Ω 以下 |
※ 自動遮断装置の遮断時間が短いほど B種は 300/Ig〜600/Ig に、C種・D種は 500Ω 以下に緩和されます。
接地抵抗の計算式
接地棒(垂直接地極)1本の接地抵抗は、Tagg 式と呼ばれる対数式で求めます。 並列本数 N が増えると単純な並列計算より低減率 η の分だけ減衰効果が落ちるため、 実用では本数別の低減率テーブルを使って合成抵抗を求めるのが一般的です。
| 記号 | 説明 |
|---|---|
| ρ (Ω·m) | 土壌抵抗率。土質・水分・温度で変動 |
| L (m) | 接地棒の埋設長さ。一般的には 1.5m |
| d (m) | 接地棒の直径。一般的には φ14mm |
| N | 並列接続する接地棒の本数 |
| η | 低減率。本数と打込み間隔比 a/L で決まる |
| Ig (A) | 変圧器高圧側電路の一線地絡電流。電力会社へ要確認 |
土壌抵抗率の目安と低減率
土壌抵抗率 ρ は土質・水分量・温度で大きく変動します。 正確な設計には大地抵抗率測定(Wenner 4極法等)が必要ですが、概略検討では下表の代表値を使います。
土質別 土壌抵抗率の代表値
| 土質 | ρ (Ω·m) |
|---|---|
| 湿地・水田 | 10 〜 100 |
| 粘土・ローム | 50 〜 200 |
| 砂質土 | 100 〜 500 |
| 砂利・砂礫 | 500 〜 2,000 |
| 岩盤 | 2,000 〜 10,000 |
並列接続時の低減率 η
接地棒を並列に打ち込んでも、各棒の電流分布が干渉するため単純な R/N にはならず、 本数が増えるほど効率は落ちます。打込み間隔 a が接地棒長 L の何倍かで η が決まります。
| 本数 N | a/L = 1 | a/L = 2 | a/L = 4 |
|---|---|---|---|
| 2 | 0.59 | 0.71 | 0.81 |
| 3 | 0.45 | 0.58 | 0.69 |
| 4 | 0.37 | 0.49 | 0.60 |
| 6 | 0.27 | 0.38 | 0.50 |
| 10 | 0.20 | 0.28 | 0.38 |
※ 一般的に a/L = 2(間隔=接地棒長の2倍)が施工性と効率のバランスで推奨されます。
注意事項
- あくまで設計時の目安: 本ツールは Tagg 式と低減率テーブルによる理論計算です。施工後は接地抵抗計(共立電気計器等)で実測し、規定値以下であることを確認してください。
- 季節変動: 土壌抵抗率は降雨・凍結で大きく変動します。冬場の凍結時に規定値を超えないよう、夏場の余裕を見込んだ設計が必要です。
- 低減剤・接地網: 岩盤や高抵抗土壌で本数を増やしても規定値に届かない場合は、接地抵抗低減剤の併用や接地網の併設を検討します。
- 接地線サイズ: 接地線の太さは別途、過電流遮断器の定格や許容電流から選定が必要です。電圧降下計算と合わせて配線設計を進めてください。