接地線(アース線)サイズ選定計算(内線規程・C種/D種)
過電流遮断器の定格電流から接地線(アース線)の太さを内線規程の選定表で即選定。計算式 A=0.052×In の理論最小値・機械的強度の下限・接地極線の14mm²緩和まで一括表示。低圧C種・D種接地工事に対応。
次はこんな計算どうですか?
この計算と合わせて使われることが多いツールです
解説
接地線(アース線)の太さは、その回路を保護する過電流遮断器(ブレーカー)の定格電流から決まります。地絡(漏電)が起きたとき、ブレーカーが遮断するまでの短時間に大きな故障電流が接地線を流れても焼損しない断面積が必要だからです。本ツールは定格電流を入力するだけで、内線規程の選定表に基づく接地線サイズと、計算式による理論最小値を同時に表示します。
対象は低圧のC種・D種接地工事です。C種とD種は接地抵抗値の規定(C種10Ω以下・D種100Ω以下)が異なりますが、接地線サイズの選定表は共通です。接地抵抗値そのものの検討は接地抵抗計算で、A〜D種の規定抵抗値・接地線の最小太さ・適用の一覧は接地工事の種類早見表で引けます。
計算式と算定条件
C種・D種接地線の断面積は、内線規程 資料1-3-6 に示された次式が根拠です。In は接地線が接続される回路の過電流遮断器の定格電流です。
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| A | 接地線(銅)の断面積 | mm² |
| In | 過電流遮断器の定格電流 | A |
係数 0.052 は、周囲温度30℃・故障電流が定格の20倍・0.1秒以内に遮断・接地線の許容温度150℃という条件から導かれた値です。求めた断面積は直近上位の標準サイズ(2・3.5・5.5・8・14mm²…)に丸めます。
計算式は表の根拠であり、実選定は表から行います。式で求めた理論値より選定表の値が太い定格帯があり(例: 200A は式では約10.4mm²→14mm²、選定表でも14mm²、400A は式では約20.8mm²→22mm²)、実務では選定表の値を採用します。
定格電流別の接地線サイズ選定表
内線規程の選定表(C種・D種共通・銅接地線)です。回路の過電流遮断器の定格電流が含まれる行のサイズを選びます。
| 過電流遮断器の定格電流 | 接地線サイズ(銅) |
|---|---|
| 20A 以下 | 2 mm² |
| 20A 超 〜 30A 以下 | 2 mm² |
| 30A 超 〜 60A 以下 | 3.5 mm² |
| 60A 超 〜 100A 以下 | 5.5 mm² |
| 100A 超 〜 150A 以下 | 8 mm² |
| 150A 超 〜 200A 以下 | 14 mm² |
| 200A 超 〜 400A 以下 | 22 mm² |
| 400A 超 〜 600A 以下 | 38 mm² |
| 600A 超 〜 800A 以下 | 60 mm² |
| 800A 超 〜 1000A 以下 | 60 mm² |
| 1000A 超 〜 1200A 以下 | 100 mm² |
接地線にも機械的強度の下限があり、最小は 2mm²(直径1.6mm相当)です。電源側のケーブル本体の太さは別途許容電流計算で布設条件を踏まえて選定します。
接地母線と接地極線の考え方
複数の回路や分電盤の接地線を一本にまとめる幹線を接地母線と呼びます。接地母線は、各回路で選定した接地線のうち最も太いサイズを採用します。
接地母線から接地極(アース棒)へ向かう接地極線は、基本的に母線と同じサイズです。ただし内線規程の緩和規定により、専用の接地極を用い他の接地と接続しない場合は、母線が14mm²を超えても接地極線を14mm²まで細くできます。本ツールでは選定した接地線サイズに対する接地極線サイズも自動で表示します。
注意事項
本ツールは低圧のC種・D種接地工事(銅接地線)を対象とした簡易選定です。A種接地工事は据え付け機器で5.5mm²以上・可とう性が必要な移動機器で8mm²以上、B種接地工事は変圧器一相分の容量に応じて別表で選定するため、本ツールの対象外です。
高圧設備の接地線、アルミ導体、保護導体(PE)の国際規格(IEC 60364)に基づく選定など、条件が異なる場合は個別規定を確認してください。最終的な施工は最新版の内線規程・電気設備技術基準の解釈に従ってください。