ブレーカー選定
負荷電流や消費電力から、適切なブレーカー定格電流(AT)とフレームサイズ(AF)を選定します。
次はこんな計算どうですか?
この計算と合わせて使われることが多いツールです
解説
ブレーカー選定は、 負荷電流や消費電力から適切な配線用遮断器(MCCB)の 定格電流(AT)とフレームサイズ(AF)を決定するための計算です。 過電流から電線や機器を保護し、安全な電気設備を構築するために不可欠です。
本ツールでできること
- ブレーカー容量の自動計算 — 電流値または消費電力から最適なAT/AFを自動提案
- 配線方式の切替 — 単相2線・単相3線・三相3線式に対応
- 力率の考慮 — 力率入力で皮相電力ベースの正確なブレーカーサイズ選定
- URL共有 — 入力条件をURLパラメータで保存・共有可能
電力と電流の関係(力率)
交流回路で消費電力(W)から電流(A)を正確に計算するには「力率(Power Factor)」を考慮する必要があります。 力率が低いと同じワット数でもより多くの電流が流れるため、ブレーカーサイズ選定に直接影響します。
| 用語 | 単位 | 意味 |
|---|---|---|
| 有効電力 | W, kW | 実際に仕事をする電力。ヒーター等は力率100%に近い |
| 皮相電力 | VA, kVA | 電圧 × 電流の見かけ上の電力。ブレーカーはこの値で選定 |
| 力率 | %, cosθ | 有効電力 ÷ 皮相電力。モーター負荷は約80%、インバーター機器は90%以上 |
※ 力率が低いと、同じワット数でもより多くの電流が流れるため、太い電線や大きなブレーカーが必要になります。
ブレーカー選定のポイント(AT と AF)
配線用遮断器(MCCB)の選定では、 「定格電流(AT)」だけでなく「フレームサイズ(AF)」の選定も重要です。
| 項目 | 意味 | 選定基準 |
|---|---|---|
| AT(定格電流) | 過電流で遮断動作を開始する基準電流値 | 設計電流 ≤ AT ≤ 電線の許容電流 |
| AF(フレームサイズ) | 遮断器の筐体の大きさのランク | 設定可能な最大ATと遮断容量(kA)で決定 |
AF選定の実務ポイント(将来性)
計算上は「50AF / 20AT」で十分な場合でも、将来の負荷増設を見込んで あえて大きなAF(例: 100AF / 50AT)を選定するケースがあります。 ブレーカー本体の交換だけで最大100Aまで対応可能になります(電線の太さが対応していることが前提です)。
また、幹線の上流側では短絡電流が大きくなるため、 遮断容量(kA)を確保するためにATが小さくても大きなAFを選定することがあります。
標準的なブレーカーサイズ一覧
JIS規格に基づく一般的なブレーカーのフレームサイズと定格電流のラインナップです。
| AF | 一般的な AT ラインナップ [A] |
|---|---|
| 30 | 3, 5, 10, 15, 20, 30 |
| 50 | 10, 15, 20, 30, 40, 50 |
| 100 | 50, 60, 75, 100 |
| 225 | 125, 150, 175, 200, 225 |
| 400 | 250, 300, 350, 400 |
※ 実際の製品ラインナップはメーカーにより異なります。60AF・125AFはメーカーによって50AF・100AFと統合される場合があります。
関連する電気設備計算
ブレーカー選定は単独では完結せず、以下の計算と組み合わせて総合的に電気設備を設計します。
| 計算ツール | ブレーカー選定との関係 |
|---|---|
| 許容電流・ケーブル選定 | ブレーカーAT ≤ 電線の許容電流であることの確認が必須 |
| 電圧降下計算 | 長距離配線ではケーブルサイズアップが必要になり、ブレーカー選定にも影響 |
| ヒューズ選定 | ブレーカーの代わりにヒューズで保護する場合の選定計算 |
計算上の注意事項
- 許容電流との整合: ブレーカーのAT値は、接続する電線の許容電流以下 でなければなりません。AT > 許容電流となると、電線が過熱してもブレーカーが動作しない危険があります。
- 動力負荷の始動電流: モーター等の動力負荷は始動時に定格電流の5〜7倍の突入電流が流れます。 頻繁にトリップする場合はAT値の見直しや始動方式の変更を検討してください。
- 上位遮断器との協調: 分岐ブレーカーと主幹ブレーカーの間で適切な保護協調(選択遮断)が必要です。 事故時に分岐側だけが動作するよう、AT値とトリップ特性を調整してください。