EL-19電気設備

幹線サイズ選定計算(許容電流・電圧降下・遮断器協調から幹線ケーブルを選定)

次はこんな計算どうですか?

この計算と合わせて使われることが多いツールです

解説

幹線は分電盤・制御盤へ電力を送る主要な配線で、そのケーブルサイズは許容電流・電圧降下・過電流遮断器との協調の3条件で決まります。 3つの条件それぞれで必要な最小サイズを求め、最も大きいサイズを採用するのが基本です。 許容電流だけで決めると、長距離幹線で電圧降下が規定を超えたり、上位ブレーカーが電線を保護できなかったりします。

本ツールは設計電流(または負荷kWと力率)・配線方式・ケーブル種別・布設条件・周囲温度・こう長から、3条件を同時に評価し、 推奨幹線サイズと「どの条件で決まったか(決定要因)」を表示します。受電全体の最大需要電力から設計電流を出すには最大需要電力・デマンド計算を先に使うと一連の設計になります。

許容電流による選定(温度・本数補正)

電線の許容電流は基準(周囲温度30℃・1条布設)で表になっています。実際の周囲温度や同一管内の本数に応じて温度補正係数 k1電流減少係数 k2を掛けた 補正許容電流 Iz が設計電流 I 以上になる最小サイズを選びます。単体の許容電流計算は許容電流・ケーブル選定でも確認できます。

補正許容電流 Iz = 基準許容電流 × k1 × k2 ≥ 設計電流 I
k1 = √((Tmax − Ta) / (Tmax − 30))
記号意味
Iz補正後の許容電流 [A]
k1温度補正係数(Tmax=絶縁体最高許容温度, Ta=周囲温度)
k2電流減少係数(同一管内の心数, 内線規程 1340-5表)
I幹線の設計電流 [A]

電圧降下と過電流遮断器との協調

電圧降下は簡易式で求め、降下率が許容値(構内変圧器から供給する幹線は 2%、条件により 3%)以下になる最小サイズを選びます。 こう長が長いほど大きなサイズが必要です。詳細な電圧降下計算では推移グラフや許容配線長も確認できます。

電圧降下 e = K × L × I / (1000 × A) (K: 単相2線35.6 / 単相3線17.8 / 三相3線30.8)

さらに、幹線を保護する過電流遮断器の定格 IB は電線の許容電流 Iz 以下(IB ≤ Iz)である必要があります。 設計電流以上の標準ブレーカー定格を選び、その定格を電線が流せるサイズにします。幹線ブレーカーの選定はブレーカー選定と合わせて確認してください。

分岐幹線の 35% / 55% ルール

分岐した幹線の許容電流が、元の幹線を保護する過電流遮断器定格の 55% 以上なら距離制限なし、35% 以上なら分岐点から 8m 以内、 35% 未満なら 3m 以内に過電流遮断器を設ければ、分岐点の遮断器を省略できます(内線規程)。本ツールは幹線本体の選定を対象とし、分岐省略の判定は含みません。

使用上の注意

  • 3条件の最大を採用: 許容電流・電圧降下・遮断器協調のうち、最も大きいサイズが決定要因になります。長距離幹線では電圧降下が支配的です。
  • 許容電流は補正が前提: 基準は30℃・1条です。高温環境や多条布設では補正で許容電流が下がるため、必ず周囲温度と心数を入力してください。
  • 短絡・地絡保護は別: 本ツールは過負荷側の選定です。短絡容量・地絡保護・電線の短時間許容電流は別途検討が必要です。
  • 正式設計は協議優先: 実布設条件・メーカー許容電流表・電力会社/監理者との協議結果を優先してください。本ツールは検討初期の当たり付けに使ってください。

よくある質問