EL-12電気設備

照度計算(光束法・JIS Z 9110)

次はこんな計算どうですか?

この計算と合わせて使われることが多いツールです

解説

照度計算(光束法)は、 部屋の寸法・反射率・器具の全光束から平均照度を予測する、 屋内全般照明の設計でもっとも基本的な手法です。 本ツールは JIS Z 9110:2024「照明基準総則」の推奨照度を内蔵し、 必要灯数の算出と平均照度の検算を双方向で行えます。 照明回路の設計を進める際は、消費電力の見積に電力量・電気料金概算も併用してください。

計算式と記号

光束法は、器具から放射される全光束のうち作業面に到達する割合(照明率 U)と、 経年劣化を見込む保守率 M を掛け合わせて平均照度を求めます。

K = (X × Y) / (H × (X + Y))
N = (E × A) / (F × U × M) (必要灯数算出)
E = (F × N × U × M) / A (平均照度算出)
記号説明
E (lx)作業面の平均照度。JIS Z 9110 の推奨照度と比較する
F (lm)器具1台あたりの全光束。LED 40形2灯相当で 4,000〜6,000 lm
N (台)器具の設置台数
A (m²)作業面の面積。A = X × Y
K室指数。部屋の縦横と光源高さで決まる無次元量
U照明率。配光区分・反射率・室指数で決まる(0〜1)
M保守率。光源・器具の経年低下を補う係数(0.6〜0.85)

JIS Z 9110 推奨照度の目安

JIS Z 9110:2024 / Z 9125:2023 では、用途別に維持照度(経年低下を含めた保守値)の目安が示されています。 本ツールではモード「必要灯数を算出」を選ぶと用途別プリセットから目標照度を呼び出せます。 事務所・学校・工場・店舗・病院・住宅など用途別の推奨照度をまとめて調べたいときは、照度基準早見表で施設種別ごとの一覧を引けます。

用途推奨照度
事務室・製図室750 lx
会議室・教室500 lx
商業・店舗売場750 lx
飲食店客席300 lx
病室100 lx
工場・普通作業500 lx
倉庫・廊下100 lx
住宅・居間200 lx

室指数・照明率・保守率の選び方

室指数 K は部屋の形と光源の高さで決まり、K が大きい(広い・低い)ほど照明率 U が高くなります。 照明率は配光区分(直接〜間接)と内装の反射率にも依存し、明色仕上げの部屋ほど高くなります。

配光区分(上方光束比による分類)

区分代表器具
直接 (0〜10%)ダウンライト、ルーバー器具
半直接 (10〜40%)半透明カバー付きベースライト
全般拡散 (40〜60%)球形グローブ、乳白カバー
半間接 (60〜90%)上向き主体のペンダント
間接 (90〜100%)建築化照明、上向き照明

保守率 M の目安

保守率は光源維持率と器具維持率の積で表され、 清掃・ランプ交換の頻度と環境の汚染度から決まります。

保守率環境・光源
0.85LED・清浄環境(クリーンルーム、新築事務所)
0.80LED・一般環境(一般オフィス、店舗、住宅)
0.70蛍光灯・一般環境
0.60HID・汚染環境(粉塵を伴う工場)

注意事項

  • あくまで平均値: 光束法は部屋全体の平均照度を扱う手法で、机ごとの照度ムラ(一様性)やグレアの評価は別途必要です。実装後はゾーン別に手元照度を実測してください。
  • 照明率は標準値: 本ツールの照明率テーブルはメーカー横断の代表値です。実設計では各メーカーカタログの器具個別の照明率表を参照することを推奨します。
  • 維持照度の概念: JIS Z 9110:2024 では推奨値が「維持照度」(保守率を考慮した経年低下後の値)として規定されています。新設時は M で割り戻した初期照度に余裕を持たせます。
  • 電気側の検討: 照明器具の総容量から幹線・分岐配線サイズの確認には電圧降下計算を、 照明回路のブレーカー容量決定にはブレーカー選定を併用してください。

よくある質問