EL-14電気設備

非常用発電機容量計算(4係数法・始動kVA考慮)

次はこんな計算どうですか?

この計算と合わせて使われることが多いツールです

解説

非常用発電機容量計算は、 消火ポンプ・排煙ファン・非常照明などの防災負荷を対象に、 定常負荷だけでなく電動機の始動 kVA・短時間過負荷・高調波の影響も含めて 必要発電機容量(kVA)を選定する計算です。 本ツールは消防予第186号通知および NEGA「NH-1 Ver.4.0S」の出力算定方法を簡略化した 4係数法(RG1〜RG4)に基づき、機器を1行ずつ追加するだけで支配係数と JEC 標準容量への推奨値を即時表示します。発電機側の幹線ブレーカー定格は計算で求めた kVA に対応する ブレーカー選定 も併せてご利用ください。

4係数法の計算式と記号

消防予第186号通知に準拠する自家発電設備の出力算定では、4つの観点から必要容量を算出し、 最大値を採用します。本ツールでは NH-1 厳密式を実用設計向けに簡略化した次の式を採用しています。

RG1 = 1.47 × Σ(kVAi × Ni × Di) × Sf (定常負荷出力)
RG2 = kVAst_max × Xd' / (ΔV/100) (許容電圧降下)
RG3 = (定常 + kVAst_max × 0.4) / 1.5 (短時間過負荷)
RG4 = Σ(高調波負荷 kVA) × Kh (許容逆相電流)
G = max(RG1, RG2, RG3, RG4) × 0.95
記号説明
P (kW)機器1台あたり出力(電動機軸出力)
cos φ / η力率/効率(kVA = P / (η × cos φ))
N / D台数/需要率(防災負荷では通常 D=1.0)
Sf不平衡電流増加係数(バランスなら 1.0)
kVA_st_max最大始動 kVA(任意1台が始動した時の最大値)
Xd'過渡リアクタンス(汎用同期発電機 0.20〜0.30)
ΔV (%)始動時の許容電圧降下(標準 20〜25%)
Kh高調波負荷係数(インバータ系の補正、1.0〜2.0)
G (kVA)必要発電機容量(4係数の最大値 × 0.95)

始動方式と始動電流倍率

電動機の始動方式によって始動電流が大きく変わるため、本ツールでは以下のプリセットを内蔵しています。 スターデルタ・リアクトル・インバータ駆動を選ぶことで RG2(電圧降下)を抑え、 発電機容量を小さくできるのが一般的な設計テクニックです。

始動方式始動電流倍率代表的な適用
直入れ(DOL)6.5小容量電動機(〜5.5 kW)
スターデルタ2.5中容量電動機(5.5〜37 kW)
リアクトル始動4.0中〜大容量電動機
コンドルファ4.0大容量電動機(37 kW以上)
インバータ駆動1.0省エネ・始動 kVA 削減
非電動(ヒーター・照明)1.0突入電流のない抵抗負荷

消防法の規定と防災負荷

非常用発電機は消防法において厳しい性能基準が課されており、設計値はこれらを満たすように余裕を持たせる必要があります。 発電機二次側に流れる短絡電流の検討は 短絡電流計算 で行い、計算で得た値以上の遮断容量を持つ機器を選定してください。

消防法の主な規定
  • 定格負荷で 60 分以上 の連続運転が可能であること
  • 燃料容量は最低 2 時間 分以上を確保
  • 起動信号受信後 40 秒以内 に電圧確立できること
  • 消防用設備等の非常電源として用いる場合、消防予第186号通知の出力算定が必要

注意事項

  • NH-1 厳密版との差異: 本ツールは概略検討用の簡易版です。消防審査用の計算書(出力算定書)には NEGA「NH-1 Ver.4.0S」ソフトウェアの出力をご使用ください。
  • 始動電流倍率はメーカー実値で再確認: プリセットは標準的な代表値です。実機選定では電動機メーカーの始動特性カタログ値を当てはめてください。
  • 同時始動の評価: 本ツールは「最大1台が始動」を前提として最大始動 kVA を採用しています。複数電動機が同時始動する場合は始動同時係数 Cs で補正してください。
  • 力率改善との連携: 遅れ力率の電動機が多い場合、力率改善コンデンサの併設で kVA を圧縮できる場合があります。 力率改善コンデンサ計算 と併用して総合検討してください。
  • 高調波対策: UPS・インバータ駆動が多い系統では本ツールの簡易な Kh 補正では足りず、高調波歪み解析(フィルタ・専用変圧器)を別途検討してください。

よくある質問