規格・資料

ブレーカー選定早見表(AF・AT・電線・負荷容量)

配線用遮断器を定格電流 AT ごとに、フレームサイズ AF・分岐回路の最小電線・コンセント定格・単相/三相の電圧別 連続負荷の上限まで一覧。フレームでの絞り込み・並べ替え・選んだ定格を並べて比べられる比較表・CSV書き出し・URL共有に対応。登録不要・端末完結・電技解釈 表149-1/内線規程 3605節準拠。

表示する項目の列

表の左端「比較」列のにチェックを入れると、定格ごとの規定を並べて比べられます(最大6件)。数値はタップでコピー · 列は見出しのでまとめてコピー
配線用遮断器の選定早見表。定格電流 AT、協約形フレーム AF、対応する電線サイズ、負荷容量(kVA)を単相・三相の電圧別に収録。
比較
コンセント定格
1515A 以下
2020A 以下
3020 〜 30A
4030 〜 40A
5040 〜 50A
60
75
100
125
150
175
200
225
250
300
350
400
500
600
700
800

この早見表について

ブレーカー選定早見表は、配線用遮断器(MCCB)を定格電流 AT ごとに 1 行にまとめ、フレームサイズ AF・分岐回路の最小電線太さ・コンセント定格・電圧別の連続負荷の上限を、計算せずにそのまま引ける表です。フレーム(30AF〜800AF)での絞り込み、定格やフレームでの検索、列の並べ替えと表示切替に対応し、数値はタップでコピー、選んだ行は CSV 書き出しと URL 共有ができます。登録不要・端末完結で、分岐回路の電線太さ・コンセント定格は電気設備技術基準の解釈 第149条 表149-1、標準定格 AT はサイト内の幹線サイズ選定と同じ正本値に基づいています。分岐回路と主幹の選定を対象としており、制御回路用の小容量(3〜10A)は収録していません。

AT と AF ― 2 つの定格の違い

配線用遮断器には性格の異なる 2 つの値があります。AT(Ampere Trip・定格電流)は過電流で遮断動作を開始する基準の電流値で、負荷電流と電線の許容電流から決まります。一方AF(Ampere Frame・フレームサイズ)は遮断器本体の筐体のグループ分けで、その筐体に収められる AT の上限と遮断容量(kA)の目安を表します。

ここで注意が必要なのは、AF は JIS の用語ではなく商習慣上の呼称で、製品本体には表示されないという点です。呼称体系もメーカーで割れています。本表が採る 30 / 50 / 60 / 100 / 125 / 225 / 400 / 600 / 800AF は「協約形」と呼ばれる取付互換を揃えた国内系列(パナソニック BCW/BC・日立が該当)で、分電盤や建築設備の図面で広く通用します。これに対し三菱電機 WS-V は 32 / 63 / 125 / 250 / 400 / 630 / 800、富士電機 G-TWIN は 32 / 50 / 63 / 100 / 125 / 250 / 400 / 630 / 800 と IEC 系のため、30AF・60AF・225AF・600AF はそもそも存在しません(三菱・富士では 225A は「250 フレーム内の AT 値」です)。

また実際のカタログではフレームが大きく重複し、たとえば 50A は 50 / 63 / 100 / 125AF のいずれにも載ります。「この AT ならこの AF」という一意の対応は現実には成立しないため、本表の「フレーム AF」列はその AT を収容し得る最小のフレーム、「収容し得る AF」列(列表示メニューで追加)は収容し得るフレームの一覧という意味で分けています。確定は必ずメーカーカタログで行ってください。

なお計算上は 50AF / 20AT で足りる場合でも、将来の負荷増設を見込んであえて大きな AF を選び、遮断器本体の交換だけで容量を上げられるようにしておく設計は実務でよく行われます。幹線の上流側は短絡電流が大きくなるため、遮断容量を確保する目的で AT が小さくても大きな AF を採ることもあります。

分岐回路の電線とコンセント(表149-1)

「分岐回路の最小電線」「コンセント定格」の 2 列は、電気設備技術基準の解釈 第149条 表149-1 の規定値です。分岐回路は過電流遮断器の定格ごとに、使ってよい電線の太さと接続できるコンセントの定格が決められています。内線規程では同じ内容が 3605-4表(分岐回路の種類)・3605-6表(電線太さ)・3605-8表(コンセントの施設)の 3 表に分かれており、1 表にまとまった形は電技解釈側にあります。内線規程は 50A 以下を電線の直径(mm)で規定しているため、本表では断面積 mm² を主表記とし、括弧内に直径を併記しています(1.6mm ≒ 2.0mm²、2.6mm ≒ 5.5mm²)。

40A 分岐に 8mm²、50A 分岐に 14mm² が要求されるのは、一見すると過剰に見えるかもしれません。IV の許容電流は 5.5mm² が 49A、8mm² が 61A なので、素の値だけなら 40A には 5.5mm²、50A には 8mm² で足りるように見えるからです。しかしこれはがいし引き(単独布設)の未補正値で、実際に電線管やケーブルの中に 3 本収める施工では電流減少係数 0.70 が掛かります。補正すると 5.5mm² は 34A、8mm² は 43A、14mm² は 61A となり、40A には 8mm²、50A には 14mm² が必要最小になります。規程値は保守的なのではなく、施工条件を織り込んで整合しているということです。

51A 以上の分岐回路には表149-1 の規定がなく、「許容電流が過電流遮断器の定格電流以上の電線」という原則で選ぶため、本表では「—」としています。この範囲の電線選定は許容電流ツールや幹線サイズ選定に委ねてください。

コンセント定格には条件が付きます。20A 配線用遮断器分岐回路で電線に 1.6mm の VVF を使う場合、定格 20A のコンセントは使用できません。15A・20A 兼用コンセントを付けるなら 2.0mm 以上・1 個まで・専用回路とする必要があります。また 20A(ヒューズ)・30A 分岐回路では、15A プラグが接続できる 20A コンセントは使用できません。表の値だけで判断せず、電線の太さとの組み合わせを必ず確認してください。

連続負荷の上限(kVA)の見方

「単相100V」「単相200V」「三相200V」「三相400V」の各列は、その AT のブレーカーでまかなえる連続負荷の上限です。内線規程 3605-3条3項が「連続負荷を有する分岐回路の負荷容量は、その分岐回路を保護する過電流遮断器の定格電流の 80% を超えないこと」と定めており、これを次の式にしたものです。

電流 I = AT × 0.8

単相:S[kVA] = V × I ÷ 1000

三相:S[kVA] = √3 × V × I ÷ 1000

この 80% は連続負荷にだけ掛かる条件で、短時間しか使わない負荷には適用されません。また幹線(主幹)には適用されない点にも注意してください。幹線は電技解釈 148条・内線規程の別体系(電線の許容電流 ≥ 負荷電流の 1.25 倍、50A 超なら 1.1 倍。遮断器は 3 倍 + 他負荷、かつ電線許容電流の 2.5 倍以下)で決まります。

本表が kW ではなく皮相電力 kVA で示しているのは、kW = kVA × 力率であり、力率が負荷によって変わるため表側で固定できないからです。電熱器や白熱灯のような純抵抗負荷は力率がほぼ 1.0 なので kVA の数値をそのまま kW と読めますが、LED 照明や電子機器は 0.9 前後まで下がります。単相100V は実際の回路が存在する範囲(AT 60 以下)、単相200V は単相3線式の主幹の実用上限(AT 225 以下)までを収録しています。

電動機(モーター)はこの表では選定できません。かご形電動機は始動時に規約電流の 6〜7 倍の突入電流が流れるため、分岐回路の遮断器は 80% ルールではなく始動電流で決まります(内線規程 3705 では電動機定格電流の 3 倍まで、過負荷保護はブレーカーではなくサーマルリレーが担います)。そもそも銘板の出力 kW は力率と効率の両方を含むため、AT から出力を逆算すること自体が成立しません。出力 kW ごとの規約電流・始動方式別(直入れ/スターデルタ)の遮断器・最小電線は 電動機 規約電流・分岐回路 早見表 を参照してください。

表の使い方(絞り込み・ソート・選択・共有)

上部の検索欄に「100」「20A」と入れると定格電流 AT で、「225AF」のようにフレームを明示して入れるとフレームで絞り込めます(AT と AF は同じ数字を取るため、素の数字は AT の検索として扱っています)。フレームチップで「100AF」を選べば、その筐体に収まる AT だけを比較できます。列見出しをクリックすると、容量や電線太さで昇順・降順に並べ替えられ、規定のない「—」の行は並び順にかかわらず常に末尾へ送られます。数値はタップでコピーでき、列見出しのコピーアイコンでその列をまとめて取得できます。各行の左端「比較」列にチェックを入れると比較リストに入り、「比較する」を押すと選んだ定格(最大6件)を縦に項目・横に対象を並べた表で比べられます。分岐回路の電線とコンセントの規定は 50A 以下にしかないため、51A 以上だけを選ぶとその行は比較表から消えます。比較リストは CSV ダウンロードまたはクリップボードへコピーでき、そのまま Excel の盤図・機器表に貼り付けられます。「URLで共有」を押すと、現在の絞り込み・並び順・選択状態を含む URL がコピーされ、同僚に同じ表示を渡せます。

収録規程と関連ツール

分岐回路の電線太さ・コンセント定格は電気設備技術基準の解釈 第149条 表149-1(内線規程では 3605-4・3605-6・3605-8表)、連続負荷の 80% は内線規程 3605-3条3項です。標準定格電流 AT の並びは「協約形」と呼ばれる国内の取付互換系列で、サイト内の幹線サイズ選定と同じ正本値を使っています。なお JIS C 8201-2-1 の本文は「定格電流は定格連続電流である」と定義するのみで定格値の系列そのものは規定しておらず、協約形の寸法・定格は同規格の附属書JB(2021年版)に参考として載る位置づけです。三菱・富士などの IEC 系では 32 / 63 / 160 / 630A といった定格も実在します。

負荷の kW・力率・電源方式を入力して AT と AF を計算で決めたいときは ブレーカー選定計算、複数の負荷をまとめて需要率・不等率から主幹と幹線を決めるときは 幹線サイズ選定を使ってください。51A 以上の分岐回路や幹線で「許容電流が AT 以上の電線」を探す場合は 許容電流・ケーブル選定が布設方法・周囲温度・本数の補正まで反映します。電線そのものの許容電流・仕上がり外径・質量を横断で調べるなら 電線・ケーブル早見表が対応します。

本表は設計・積算の目安としてご利用ください。フレーム AF の対応・遮断容量はメーカーと製品系列により異なり、負荷容量は力率により変わります。確定値は最新の電気設備技術基準の解釈・内線規程とメーカー資料をご確認のうえ、短絡電流に対する遮断容量・保護協調・電圧降下を別途検討してください。