空調・配管
膨張タンク容量計算
配管系統の保有水量と温度差から必要な膨張タンク容量を算出(密閉式・開放式)。
次はこんな計算どうですか?
この計算と合わせて使われることが多いツールです
解説
水は温度上昇に伴い体積が膨張します。空調・給湯の温水配管系統では、 この膨張分を吸収するために膨張タンクが必要です。 タンク容量が不足すると安全弁が作動して水が排出され、 逆に容量が大きすぎるとコストと設置スペースの無駄になります。 空調設備の設計には必要換気量計算もあわせてご活用ください。
膨張量の計算
ΔV = V × (v(T2) / v(T1) − 1)
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| ΔV | 膨張量 | L |
| V | 保有水量 | L |
| v(T) | 温度Tにおける水の比容積 | L/kg |
密閉式タンクの容量計算
密閉式(ダイヤフラム型)タンクでは、膨張量だけでなく受入率を考慮して容量を決定します。 受入率とは、タンクの全容量に対して実際に水を受け入れられる割合です。
タンク容量 = ΔV × 安全率 / 受入率
受入率 = 1 − P1(abs) / P2(abs)
P1(abs) = 初期充填圧力 + 大気圧(0.1013MPa)、P2(abs) = 安全弁設定圧力 + 大気圧(0.1013MPa)
圧力設定の考え方
- 初期充填圧力(P1): タンクのガス室に封入する窒素ガスの圧力。系統の静水頭圧以上に設定。一般的には 0.05〜0.1 MPa 程度
- 安全弁設定圧力(P2): 系統内の最も耐圧の低い機器の許容圧力以下に設定。ボイラーの場合は通常 0.2〜0.5 MPa 程度
- 受入率が小さい場合: P1とP2の差が小さいほど受入率が低下し、必要タンク容量が大きくなる
開放式タンクの容量計算
開放式は大気に開放されているため、圧力の考慮が不要です。
タンク容量 = ΔV × 安全率
構造がシンプルですが、系統最高部より上に設置する必要があり、酸素が混入しやすいため腐食対策が必要です。
水の比容積(温度別)
| 温度 (℃) | 比容積 (L/kg) |
|---|---|
| 10 | 1.00027 |
| 20 | 1.00177 |
| 40 | 1.00782 |
| 60 | 1.01704 |
| 80 | 1.02899 |
| 90 | 1.03590 |
| 95 | 1.03987 |
注意事項
- 不凍液使用時: エチレングリコール等を使用する場合は、水より膨張率が大きくなるため別途補正が必要です。
- 規格品の選定: 実際の選定では、メーカーカタログの規格品から適切なサイズを選定してください。
- 高層建物: 静水頭圧が大きくなるため、初期充填圧力の設定に注意してください。