規格・資料

壁倍率早見表(軸組の種類別・令和7年基準)

木造の壁倍率を軸組の種類ごとに、短期許容せん断耐力・壁の構成(大壁/真壁/床勝ち)・くぎとねじの種類と間隔・筋かい端部の接合方法まで分類ごとの表で一覧。令和7年4月施行の昭56建告1100号 別表第一〜第五・第八・第九を全行収録。分類をまたいで選んだ軸組を並べて比べられる比較表・並べ替え・CSV書き出し・URL共有に対応。登録不要・端末完結。

表示する項目の列

表の左端「比較」列のにチェックを入れると、分類をまたいで仕様を並べて比べられます(最大6件)。数値はタップでコピー · 列は見出しのでまとめてコピー

筋かい

告示1100号 別表第一10
筋かいの壁倍率一覧(軸組の種類・壁倍率・短期許容せん断耐力・くぎとねじの種類と間隔・筋かい端部の接合方法、告示1100号 別表第一)
比較
軸組の種類
壁の構成
くぎ・ねじ
くぎの間隔
出典
筋かい 厚1.5cm以上×幅9cm以上の木材片筋かい別表第一㈡
筋かい 径9mm以上の鉄筋片筋かい別表第一㈡
筋かい 厚3cm以上×幅9cm以上の木材片筋かい別表第一㈢
筋かい 厚4.5cm以上×幅9cm以上の木材片筋かい別表第一㈣
筋かい 厚1.5cm以上×幅9cm以上の木材 たすき掛けたすき掛け別表第一㈥(㈡の2倍)
筋かい 径9mm以上の鉄筋 たすき掛けたすき掛け別表第一㈥(㈡の2倍)
筋かい 9cm角以上の木材片筋かい別表第一㈤
筋かい 厚3cm以上×幅9cm以上の木材 たすき掛けたすき掛け別表第一㈥(㈢の2倍)
筋かい 厚4.5cm以上×幅9cm以上の木材 たすき掛けたすき掛け別表第一㈥(㈣の2倍)
筋かい 9cm角以上の木材 たすき掛けたすき掛け別表第一㈥(告示が5と明示)
倍率の数値は改正前の令46条4項 表1 と同じ。端部の接合方法(平12建告1460号 第一号 イ〜ホ)は倍率ではなく筋かいの材種と寸法で決まるため、同じ倍率でも接合方法が異なる行がある。横架材の上端の相互間の垂直距離が 3.2m を超える場合は低減係数 αh が要る(別表第一 備考二。3.2m ちょうどは対象外)。

面材・大壁

告示1100号 別表第二15
面材・大壁の壁倍率一覧(軸組の種類・壁倍率・短期許容せん断耐力・くぎとねじの種類と間隔・筋かい端部の接合方法、告示1100号 別表第二)
比較
軸組の種類
壁の構成
くぎ・ねじ
くぎの間隔
出典
胴縁に別表第二の面材を打ち付けた壁大壁(胴縁下地)N32 / NZ3215cm以下第二第三号
せっこうボード / 強化せっこうボード大壁GNF40 / GNC40 / WSN / DTSN15cm以下別表第二十二
シージングボード大壁SN40外周部10cm以下 / その他20cm以下別表第二十三
ラスシート大壁N38 / NZ3815cm以下別表第二十四
構造用せっこうボード B種大壁GNF40 / GNC40 / WSN / DTSN15cm以下別表第二十一
パルプセメント板大壁GNF40 / GNC4015cm以下別表第二㈨
構造用せっこうボード A種大壁GNF40 / GNC40 / WSN / DTSN15cm以下別表第二㈩
ハードボード大壁N50 / NZ5015cm以下別表第二㈥
硬質木片セメント板大壁N50 / NZ5015cm以下別表第二㈦
炭酸マグネシウム板大壁GNF40 / GNC4015cm以下別表第二㈧
構造用合板 / 化粧ばり構造用合板大壁N50 / NZ5015cm以下別表第二㈣
パーティクルボード / 構造用パーティクルボード / 構造用MDF / 構造用パネル大壁N50 / NZ5015cm以下別表第二㈤
構造用合板 / 化粧ばり構造用合板大壁CN50 / CNZ50外周部7.5cm以下 / その他15cm以下別表第二㈡
構造用パネル(OSB)大壁N50 / NZ50外周部7.5cm以下 / その他15cm以下別表第二㈢
構造用パーティクルボード / 構造用MDF大壁N50 / NZ50外周部7.5cm以下 / その他15cm以下別表第二㈠
倍率 4.3・3.7 は「一枚の壁材につき外周部分は7.5cm以下、その他の部分は15cm以下」という外周部の密打ちが成立条件。同じ材料でも 15cm 以下の一様打ちではこの倍率にならない。せっこうボード系には「屋外壁等以外に用いる場合に限る」制限が付く。

面材・真壁

告示1100号 別表第三16
面材・真壁の壁倍率一覧(軸組の種類・壁倍率・短期許容せん断耐力・くぎとねじの種類と間隔・筋かい端部の接合方法、告示1100号 別表第三)
比較
軸組の種類
壁の構成
くぎ・ねじ
くぎの間隔
出典
せっこうボード / 強化せっこうボード真壁(貫)GNF32 / GNC32 / WSN / DTSN15cm以下別表第三㈩(に)
構造用せっこうボード B種真壁(貫)GNF32 / GNC32 / WSN / DTSN15cm以下別表第三㈨(に)
構造用せっこうボード A種真壁(貫)GNF32 / GNC32 / WSN / DTSN15cm以下別表第三㈧(に)
せっこうラスボード + せっこうプラスター15mm以上塗り真壁(貫)GNF32 / GNC32 / WSN / DTSN15cm以下別表第三㈦(に)
せっこうボード / 強化せっこうボード真壁(受け材)GNF40 / GNC40 / WSN / DTSN15cm以下別表第三㈩(は)
構造用せっこうボード B種真壁(受け材)GNF40 / GNC40 / WSN / DTSN15cm以下別表第三㈨(は)
構造用合板 / 化粧ばり構造用合板真壁(貫)N50 / NZ5015cm以下別表第三㈣(に)
パーティクルボード / 構造用パネル真壁(貫)N50 / NZ5015cm以下別表第三㈤(に)
せっこうラスボード + せっこうプラスター15mm以上塗り真壁(受け材)GNF32 / GNC32 / WSN / DTSN15cm以下別表第三㈦(は)
構造用せっこうボード A種真壁(受け材)GNF40 / GNC40 / WSN / DTSN15cm以下別表第三㈧(は)
構造用合板 / 化粧ばり構造用合板真壁(受け材)N50 / NZ5015cm以下別表第三㈣(は)
パーティクルボード / 構造用パネル真壁(受け材)N50 / NZ5015cm以下別表第三㈤(は)
構造用パーティクルボード / 構造用MDF真壁(受け材)N50 / NZ5015cm以下別表第三㈥(は)
構造用合板 / 化粧ばり構造用合板真壁(受け材)CN50 / CNZ50外周部7.5cm以下 / その他15cm以下別表第三㈡(は)
構造用パネル(OSB)真壁(受け材)N50 / NZ50外周部7.5cm以下 / その他15cm以下別表第三㈢(は)
構造用パーティクルボード / 構造用MDF真壁(受け材)N50 / NZ50外周部7.5cm以下 / その他15cm以下別表第三㈠(は)
受け材仕様(第一第四号)と貫仕様(第一第五号)で倍率が二段構えになる。構造用パーティクルボード・構造用MDF と、外周部を密打ちする高倍率の仕様は貫仕様では認められておらず「—」。

面材・床勝ち

告示1100号 別表第四8
面材・床勝ちの壁倍率一覧(軸組の種類・壁倍率・短期許容せん断耐力・くぎとねじの種類と間隔・筋かい端部の接合方法、告示1100号 別表第四)
比較
軸組の種類
壁の構成
くぎ・ねじ
くぎの間隔
出典
せっこうボード / 強化せっこうボード大壁(床勝ち受け材)GNF40 / GNC40 / WSN / DTSN15cm以下別表第四㈧
構造用せっこうボード B種大壁(床勝ち受け材)GNF40 / GNC40 / WSN / DTSN15cm以下別表第四㈦
構造用せっこうボード A種大壁(床勝ち受け材)GNF40 / GNC40 / WSN / DTSN15cm以下別表第四㈥
構造用合板 / 化粧ばり構造用合板大壁(床勝ち受け材)N50 / NZ5015cm以下別表第四㈣
パーティクルボード / 構造用パーティクルボード / 構造用MDF / 構造用パネル大壁(床勝ち受け材)N50 / NZ5015cm以下別表第四㈤
構造用合板 / 化粧ばり構造用合板大壁(床勝ち受け材)CN50 / CNZ50外周部7.5cm以下 / その他15cm以下別表第四㈡
構造用パネル(OSB)大壁(床勝ち受け材)N50 / NZ50外周部7.5cm以下 / その他15cm以下別表第四㈢
構造用パーティクルボード / 構造用MDF大壁(床勝ち受け材)N50 / NZ50外周部7.5cm以下 / その他15cm以下別表第四㈠
床勝ち受け材を用いる大壁。せっこうボード系を除いて大壁(別表第二)と同じ値になる。受け材そのものの仕様にも規定がある。

土塗壁・木ずり

告示1100号 別表第一6
土塗壁・木ずりの壁倍率一覧(軸組の種類・壁倍率・短期許容せん断耐力・くぎとねじの種類と間隔・筋かい端部の接合方法、告示1100号 別表第一)
比較
軸組の種類
壁の構成
くぎ・ねじ
くぎの間隔
出典
土塗壁土塗壁別表第一㈠
木ずりその他これに類するもの(片面)柱・間柱の片面別表第一㈠
木ずりその他これに類するもの(両面)柱・間柱の両面別表第一㈡
土塗壁(両面塗り・塗り厚5.5cm以上)土塗壁別表第五⑵
土塗壁(片面塗り・塗り厚5.5cm以上)土塗壁別表第五⑶
土塗壁(両面塗り・塗り厚7cm以上)土塗壁別表第五⑴
土塗壁・木ずりは筋かいと同じ別表第一。塗り厚や下地の仕様が倍率の成立条件になる。

格子壁・落とし込み板

告示1100号 別表第五・第八・第九6
格子壁・落とし込み板の壁倍率一覧(軸組の種類・壁倍率・短期許容せん断耐力・くぎとねじの種類と間隔・筋かい端部の接合方法、告示1100号 別表第五・第八・第九)
比較
軸組の種類
壁の構成
くぎ・ねじ
くぎの間隔
出典
格子壁(格子の間隔18〜31cm)格子壁別表第八⑵
落とし込み板(だぼ・柱間隔180〜230cm)落とし込み板別表第九⑴
格子壁(格子の間隔9〜16cm)格子壁別表第八⑴
格子壁(格子の間隔18〜31cm・太径)格子壁別表第八⑶
落とし込み板(だぼ + くぎ打ち・柱間隔90〜230cm)落とし込み板CN75柱・横架材とも15cm以下別表第九⑵
落とし込み板(吸付き桟・柱間隔90〜230cm)落とし込み板CN75柱・横架材とも15cm以下別表第九⑶
格子壁・落とし込み板などの伝統構法。別表第六・第七は倍率が「0.1 ÷ 軸組の両端の中心間距離」という式で与えられており、表の 1 セルに数値として置けないため収録していない。

この早見表について

壁倍率早見表は、木造の耐力壁を軸組の種類ごとに 1 行にまとめ、壁倍率・短期許容せん断耐力・壁の構成(大壁/真壁/床勝ち)・留付けに使うくぎとねじの種類と間隔・筋かい端部の接合方法を、計算せずにそのまま引ける表です。筋かい・面材(大壁/真壁/床勝ち)・土塗壁・格子壁・落とし込み板の分類ごとに表を分け、それぞれの表にはその分類を読むときに知らないと誤る点を注記として付けてあります。索引から目的の分類へ直接移動でき、倍率での検索と並べ替え、列の表示切替に対応。数値はタップでコピー、分類をまたいで選んだ軸組は比較表で並べて見られ、CSV 書き出しと URL 共有ができます。登録不要・端末完結で、収録範囲は令和7年4月1日施行の昭和56年建設省告示第1100号 別表第一〜第五・第八・第九と第二第三号(胴縁仕様)です。

令和7年施行の改正で別表の番号が1つずれた

壁倍率を調べるときに最初につまずくのがここです。令和6年国土交通省告示第447号による改正で、別表の番号が全体に 1 つ繰り下がりました。従来は建築基準法施行令46条4項の表1にあった筋かい・木ずり・土塗壁が告示側に移されて別表第一となり、面材耐力壁を定めていた旧 別表第一〜第三が別表第二〜第四になっています。あわせて平成12年建設省告示第1351号・第1352号は廃止され、1100号に統合されました。

Web 上の解説記事の多くは改正前の番号のままです。「別表第一=面材耐力壁」と書かれた資料を見かけたら、それは改正前基準の記述です。本表はすべて令和7年4月1日施行後の番号で表記し、各行の「出典」列に別表と項番号を示しています。

一方で倍率の数値そのものは据え置きです。技術的助言(国住指第147号)は「改正後の告示第1100号 別表第1に掲げる軸組の仕様及び倍率は改正前の令第46条第4項表1に掲げる軸組と同じ」と明言しています。実際に変わったのは次の 3 点です。

  • 合計倍率の上限が 5 から 7 に引き上げ(第二第十三号)。ただし 9cm 角以上の木材の筋かいをたすき掛けに入れた軸組は従来どおり 5 のまま
  • 横架材の上端の相互間の垂直距離が 3.2m を超える場合の低減係数 αh の新設(別表第一 備考二)。筋かいの軸組のみが対象で、3.2m ちょうどは対象外
  • 別表第二のくぎ・ねじの選択肢の追加(めっき品の NZ38・NZ50・CNZ50、ねじの WSN・DTSN)。引用規格も JIS A 5508-1975(鉄丸くぎ)から JIS A 5508-2005(くぎ)へ更新

壁倍率1.0 = 1.96 kN/m の根拠

「短期許容せん断耐力」列は、壁倍率に 1.96 kN/m を掛けた値です。この 1.96 は経験則ではなく、告示1100号 第三第一項第一号の必要壁量の算定式から導かれます。

Lw =(Ai · Co · Σwi)/(0.0196 · Afi)

Lw は床面積 1m² あたりの必要壁量(cm)、Σwi はその階が地震時に負担する固定荷重と積載荷重の和(kN)、Afi はその階の床面積(m²)です。左辺が cm/m² になるためには、分母の 0.0196 の単位が kN/cm でなければなりません。つまり 0.0196 kN/cm = 1.96 kN/m が「壁倍率 1.0・壁長 1m あたりの短期許容せん断耐力」です。おおよそ 200kgf/m にあたります。

この換算は法文の別の場所とも整合します。構造計算による適用除外を定める第五は、除外の対象から「短期に生ずる力に対する許容せん断耐力が一メートルにつき一三・七二キロニュートンを超える軸組を用いるもの」を外していますが、13.72 ÷ 1.96 はちょうど 7.0 です。合計倍率の上限 7 と同じ値であり、告示全体で一貫した換算が使われていることが確認できます。

住宅性能表示制度の式とは別物です。評価方法基準の必要壁量式には地震地域係数 Z が入り、Σwi に積雪荷重を含みます。建築基準法側の式に Z はなく、積雪荷重も含みません。両者を混同すると必要壁量が変わってしまいます。

倍率だけでは仕様が成立しない ― くぎの間隔と屋外壁等の制限

面材耐力壁でとくに落としやすいのが、くぎの間隔が倍率の成立条件そのものだという点です。別表第二の㈠項(構造用パーティクルボード・構造用MDF)の 4.3、㈡項(構造用合板 9mm 以上)と㈢項(構造用パネル)の 3.7 は、いずれも「一枚の壁材につき外周部分は7.5cm以下、その他の部分は15cm以下」という外周部の密打ちが前提です。同じ材料でも 15cm 以下の一様打ちにすると、この倍率は成立しません。本表では「くぎの間隔」列に外周部とその他を分けて表示しています。

もう一つが屋外壁等(屋外に面する壁、常時湿潤の状態となるおそれのある壁)への制限です。構造用せっこうボードA種・B種、せっこうボード、強化せっこうボードには「屋外壁等以外に用いる場合に限る」という限定が付き、外壁には使えません。構造用合板は屋外壁等に用いる場合特類に限られ、さらに㈣項の 5mm は、表面単板をフェノール樹脂加工した場合などを除いて7.5mm 以上が必要になります。「構造用合板5mm・倍率2.5」とだけ覚えていると外壁で誤用します。本表の「屋外壁等」列で可否を確認してください。

真壁と床勝ち ― 受け材そのものにも規定がある

面材耐力壁は同じ材料でも壁の構成によって倍率が変わります。大壁(別表第二)を基準にすると、真壁(別表第三)はやや低く、床勝ち受け材の大壁(別表第四)はせっこうボード系を除いて大壁と同じ値です。真壁はさらに受け材仕様(第一第四号)と貫仕様(第一第五号)で倍率が二段構えになっており、たとえば構造用合板 7.5mm 以上なら受け材で 2.5、貫で 1.5 です。構造用パーティクルボード・構造用MDF と、外周部を密打ちする高倍率の仕様(別表第三㈠〜㈢)は貫仕様では認められておらず、本表では「—」としています。

見落とされやすいのが、受け材や貫の側にも寸法とくぎの規定があることです。真壁の受け材は厚さ3cm以上×幅4cm以上の木材を N75・NZ75 で横架材に打ち付け、床勝ちの受け材は同じ寸法(ただし別表第四㈠〜㈢では幅6cm以上)を床下地材の上から打ち付けます。貫仕様は厚さ1.5cm以上×幅9cm以上の木材を 61cm 以下の間隔で5本以上設けます。

受け材を留めるくぎの間隔と、面材を留めるくぎの間隔は別物です。本表の「くぎの間隔」列は面材側の値です。受け材自体を横架材に留めるくぎの間隔は、取り付ける面材の項によって 12cm 以下・20cm 以下・30cm 以下の3段階に分かれます(真壁は別表第三㈠が12cm以下、㈡㈢が20cm以下、その他が30cm以下。床勝ちは別表第四㈠〜㈢が12cm以下、㈣㈤が20cm以下、その他が30cm以下)。

なお別表第三㈦のせっこうラスボードは、面材を張っただけでは倍率が成立しません。その上にせっこうプラスターを厚さ15mm以上塗ったものに限る、という条件が第一第四号・第五号に含まれています。

また別表第二〜第四には共通の備考として、2 以上の項に該当する場合は倍率が最も大きい項によると定められています。たとえば構造用パーティクルボードを 15cm 以下の一様打ちにした場合、外周部 7.5cm 以下という条件を満たさないため高倍率側の項には該当せず、通常打ちの項の値になります。両方の条件を満たすなら大きい方を採ります。

筋かい端部の接合は壁倍率では決まらない

「筋かい端部の接合」列は、平成12年建設省告示第1460号 第一号が定める接合方法の記号(イ〜ホ)です。この記号を選ぶキーは筋かいの材種と寸法であって、壁倍率ではありません。同じ倍率でも記号が分かれます。

たとえば別表第一㈡項は倍率 1 ですが、中身は「木ずりその他これに類するものを両面に打ち付けた壁」「厚1.5cm以上×幅9cm以上の木材の筋かい」「径9mm以上の鉄筋の筋かい」の 3 構法を含みます。端部の接合方法は順に規定なし・ロ・イ と分かれ、倍率 1.0 という値だけからは記号が確定しません。本表が㈡項を 3 行に分けているのはこのためです。同じ理由で、面材耐力壁と土塗壁の行は「—」としています。第一号は筋かいの端部だけを対象とした規定で、面材にはそもそも適用されないからです。

柱頭・柱脚の仕口は別の号・別の記号体系です。同じ告示1460号でも第二号は柱の頭と脚の仕口を定めるもので、記号は表三の (い)〜(ぬ) というひらがな体系です。N値計算の話はこちらであって、第一号のイ〜ホとは無関係です。加えて令和7年施行の改正で第二号は原則と例外が入れ替わり、N値計算法が原則となりました。横架材間の垂直距離が 3.2m を超える場合は表一・表二を使えず、N値計算が必須です。

表の使い方(検索・並べ替え・比較・共有)

「筋かい」「面材・大壁」「面材・真壁」「面材・床勝ち」「土塗壁・木ずり」「格子壁・落とし込み板」は別々の表に分けてあり、左の索引から移動できます。検索欄に「2.5」のように数値だけを入れると壁倍率での検索になり(「3」と入れれば 3・3.3・3.7 が出ます)、「合板」「9mm」「N50」のように文字を含めて入れると材料名・厚さ・くぎの種類・出典から探します。材料名や厚さの側にも数字が多く現れるため、素の数字は倍率の検索として扱う設計にしています。列見出しをクリックすると倍率や短期許容せん断耐力で並べ替えられ、右上の「列表示」から厚さ・筋かい端部の接合・屋外壁等の列を追加できます。各行の左端「比較」列にチェックを入れると比較リストに入り、左上の「比較する」で選んだ軸組(最大6件)を縦に項目・横に対象を並べた表で比べられます。分類をまたいで選べるので、同じ倍率でも成立条件(くぎの間隔・壁の構成・接合方法)がどう違うかを一度に見られます。比較リストは CSV ダウンロードまたはクリップボードへコピーでき、そのまま Excel の壁量計算表に貼り付けられます。「URLで共有」を押すと、現在の検索・並べ替え・選択状態を含む URL がコピーされます。

収録していない範囲と関連ツール

本表は別表第一〜第五・第八・第九と第二第三号を収録しています。収録していないのは次の 4 つで、いずれも「表の 1 セルに数値として置けない」ことが理由です。

  • 別表第六(土塗りの垂れ壁)・別表第七(垂れ壁及び腰壁) — 倍率が固定値ではなく、0.1 ÷ 軸組の両端の中心間距離(垂れ壁+腰壁は 0.2・0.5・0.8 ÷ 同)という式で与えられます。倍率 × 軸組の長さ が定数になるため、軸組の長さによらず壁量への寄与が一定(垂れ壁なら 0.1m 相当)という特殊な規定です
  • 別表第十(準耐力壁等) — 令和7年新設。別表第二(は)欄の数値に 0.6 と(壁の高さ ÷ 横架材間内法寸法)を乗じる計算式です。存在壁量への算入は必要壁量の 1/2 までという制限があります
  • 別表第十一〜第十三(併用軸組) — 併用した軸組の和をとり、上限 7 が掛かります(第二第十三号)
  • 国土交通大臣の認定を受けた軸組(第二第十四号) — 認定書の数値によるもので、告示上の倍率の上限がありません(技術的助言は当面 7 として運用するとしています)

なお別表第一㈠項の土塗壁が 0.5 とされているのは、第一第七号が定める詳細仕様を満たさない土塗壁の位置づけです。貫を 91cm 以下の間隔で 3 本以上、間渡し竹、4.5cm 以下の間隔の小舞竹、荒壁土と中塗り土の配合まで規定された仕様を満たすと、別表第五により塗り方と塗り厚に応じて 1.0〜1.5 になります。塗り厚は柱の外側にある部分を除いた実効厚で測ります。

格子壁(別表第八)と落とし込み板(別表第九)にも、表に現れない条件があります。いずれも含水率15%以下・継手を設けないことが第一第十号・第十一号の要件で、落とし込み板はさらに板厚 2.7cm 以上が必要です。落とし込み板の 2.5・3.0 は、だぼに加えてくぎ打ち(CN75)または吸付き桟による接合を行う仕様です。

床面積・屋根・外壁・階高から建物重量を積み上げて必要壁量を算定し、存在壁量と比較して充足を判定するには 壁量計算(必要壁量・存在壁量・充足判定)を使ってください。風圧力用の必要壁量に使う見付面積まわりは 風圧荷重計算が対応します。

本表は設計・確認申請の目安としてご利用ください。倍率の適用には材料の規格・厚さ・留付け方法・壁の構成・屋外壁等の別といった条件が伴い、表の値だけで仕様が確定するものではありません。確定にあたっては最新の告示本文・技術的助言および材料メーカーの資料をご確認のうえ、筋かい端部および柱頭柱脚の接合、偏心率または四分割法による配置の検討を別途行ってください。令和8年3月31日までの経過措置を適用する場合は、合計倍率の上限が 5 となり準耐力壁等を算入できません。