風圧荷重計算
建築基準法に基づく風圧力と風荷重を算出します。
次はこんな計算どうですか?
この計算と合わせて使われることが多いツールです
積雪荷重計算(建築基準法施行令第86条・屋根形状係数)
垂直積雪量・屋根勾配・水平投影面積から積雪荷重を即時算出。屋根形状係数 μb=√cos(1.5β) を自動計算し、一般区域20/多雪区域30 N/m²·cm の単位荷重プリセットと雪下ろし低減(令86条6項)に対応。
壁量計算(必要壁量・存在壁量・充足判定)
木造の必要壁量を令和7年4月施行の新基準で自動算定。床面積・屋根・外壁・太陽光・階高から建物重量を積み上げて地震力用の必要壁量を、見付面積から風圧力用を計算し、存在壁量と比較して各階・各方向の充足を判定。昭56建告1100号 第三準拠。
梁のたわみ・応力計算(単純梁・片持ち梁・両端固定梁)
スパン・荷重・断面性能から最大たわみ・曲げモーメント・せん断力・曲げ応力を一括算出。建築基準法 L/250 を自動判定し、H形鋼・I形鋼・溝形鋼・軽溝形鋼・等辺山形鋼・角形鋼管・鋼管の JIS 規格プリセットに対応。
解説
本ツールは、建築基準法施行令(第 87 条)および平成 12 年建設省告示第 1454 号に基づき、 屋外に設置する設備機器や構造物が受ける風圧荷重(風圧力)を計算します。 アンカーボルトの選定や支持架台の強度検討、足場の荷重計算などにご活用ください。
速度圧 q の計算
風のエネルギーを単位面積あたりの圧力に換算した値です。 基準風速に対し、設置場所の環境(高さ・地形)による補正を加えて算出します。
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| q | 速度圧 | N/m² |
| E | 環境係数(= Er² × Gf。高さ・粗度による補正) | — |
| V₀ | 基準風速(再現期間 50 年の最大級風速) | m/s |
基準風速 V₀(都道府県別の目安)
過去の気象データに基づき市町村ごとに 30〜46 m/s の範囲で定められています。 東京周辺は概ね 34 m/s 前後です。
| 風速 (m/s) | 主な都道府県(目安) |
|---|---|
| 30 | 福島、栃木、群馬、埼玉、山梨、長野、岐阜、滋賀、奈良 |
| 32 | 北海道、岩手、宮城、秋田、山形、茨城、新潟、富山、石川、福井、三重、京都、鳥取、島根、岡山、広島、香川、愛媛、佐賀、熊本、大分 |
| 34 | 青森、千葉、東京、神奈川、静岡、愛知、大阪、兵庫、和歌山、山口、徳島、福岡、長崎、宮崎 |
| 36 | 高知、鹿児島 |
| 40〜 | 沖縄(46 以上) |
環境係数 E
地表の状態(粗度区分)と高さ(H)から算出される係数です。
- Er(平均風速の高さ方向の分布係数)— 地表付近は摩擦で風が遅く、上空ほど速くなります。粗度区分ごとのべき乗則(H の α 乗に比例)で計算
- Gf(ガスト影響係数)— 瞬間的な突風の強さを考慮する係数。本ツールでは粗度区分ごとの標準値を採用
地表面粗度区分
建設地周辺の状況により、地表摩擦による風の減衰効果が異なります。 周辺に建物が多いほど風は弱まり(数字が大きい)、何もないほど風は強くなります(数字が小さい)。
| 区分 | 周辺状況 | Gf | 風速 |
|---|---|---|---|
| I | 極めて平坦で障害物がない(海岸・湖岸等) | 2.0 | 最強 |
| II | 田園地帯、障害物が散在する平坦地 | 2.2 | 強 |
| III | 通常の市街地(最も一般的) | 2.5 | 中 |
| IV | 大都市の中心部、高層建築が密集する地域 | 3.1 | 弱 |
風荷重 W の計算
算出した速度圧 q に、対象物の「風の受けやすさ(Cf)」と「大きさ(A)」を掛けて、 最終的に部材に作用する風圧力(N)を求めます。
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| W | 風荷重(風圧力) | N |
| q | 速度圧 | N/m² |
| Cf | 風力係数(形状による抵抗係数) | — |
| A | 受圧面積(正面投影面積) | m² |
風力係数 Cf の代表値
物体の形状による風の抵抗係数です。 風をまともに受ける形状(平板)ほど値が大きく、受け流す形状(円筒)ほど小さくなります。
| 形状 | Cf | 代表例 |
|---|---|---|
| 平板 | 1.2 | 看板、盤類 |
| 円筒 | 0.9 | ポール、配管 |
| トラス | 1.6 | 鉄塔骨組 |
受圧面積 A
風を受ける見付面積(正面投影面積)です。 最も風の影響が大きくなる方向の面積を採用します。
金網やメッシュ構造の場合は、実際に部材がある部分の面積(充実率を考慮した面積)を使用してください。
注意事項
- 本計算は建築基準法施行令第 87 条に基づく簡易計算です。 複雑な形状や特殊な地形条件の場合は、風洞実験や数値流体解析(CFD)による検証が必要です。
- 基準風速は市町村単位で定められています。正確な値は所轄の特定行政庁に確認してください。
- ガスト影響係数 Gf は粗度区分ごとの標準値(簡易値)を採用しています。 詳細法では建物の固有周期を考慮した計算が必要です。
- 架台やアンカーの設計では、風荷重に加えて地震荷重や自重との組合せ荷重を検討してください。鋼材重量計算で部材の自重を確認できます。
- 屋根のある構造物では、風荷重と積雪荷重を組み合わせた検討も必要です。多雪区域では積雪時の荷重組合せが支配的になる場合があります。