足場点検チェックリスト (労安則567条) - 使い方ガイド
労働安全衛生規則 第567条 第2項 1〜9号 に基づく足場点検をスマホで完結。枠組・単管・くさび緊結・つり足場など種別ごとに対象号を自動で読み替え、結果は A4 PDF 帳票と暗号化共有 URL に書き出せる。登録不要・端末完結。
使い方ガイド
足場点検チェックリストは、労働安全衛生規則 第567条 に基づく足場の点検をスマートフォン上で完結させ、結果を共有 URL と A4 1 枚の PDF 帳票に書き出すための現場用ツールです。 厚生労働省「足場等の種類別点検チェックリスト」を参考に、第567条 第2項 1〜9号の点検項目を漏れなく構成しています。
枠組足場・単管足場・くさび緊結式足場・つり足場・移動式足場など足場種別を切り替えると、その種別と点検タイミング (始業前 / 組立・変更・悪天候後) で対象となる号だけが自動でフィルタリングされます。 アカウント登録もアプリインストールも不要で、入力した点検結果や現場情報は端末の URL とブラウザ内だけで扱われ、サーバーには送信されません。
労働安全衛生規則 第567条 と点検の根拠
第567条は事業者に対し、足場の点検と異常時の補修を義務付けています。条文は大きく 3 つの項に分かれます。
- 第1項 (始業前点検): その日の作業を開始する前に、墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのある箇所の床材・墜落防止設備・幅木の取り付け及び取り外しの有無を点検し、異常があれば直ちに補修する。
- 第2項 (組立・変更・悪天候後の点検): 強風・大雨・大雪等の悪天候、中震以上の地震、足場の組立て・一部解体・変更の後に、1号から9号までの事項について点検する。
- 第3項 (点検者の指名と記録保存): 第2項の点検は事業者があらかじめ指名した者に行わせ、点検年月日・点検結果・補修箇所を記録し、足場を使用する作業を行う期間 (+3年) 保存する。2023 年改正で点検者の指名が明文化 されました。
第567条 第2項 1〜9号 の点検項目
第2項では、足場の組立・変更・悪天候後の点検項目を 9 号に分けて列挙しています。 各号の条文要旨と、本ツールが配下に置いている具体的なチェック項目数は次のとおりです。
| 号 | 条文要旨 | 本ツールでの具体項目 |
|---|---|---|
| 第1号 | 床材の損傷、取付け及び掛渡しの状態 | 床材の損傷・腐食・摩耗の有無 / 床材の取付状態 (隙間 3cm 以内) / 床材の掛渡し状態 (両端で支持・突出 10cm 以上) / 作業床の幅 (40cm 以上) |
| 第2号 | 建地、布、腕木等の緊結部、接続部及び取付部のゆるみの状態 | 建地と布の緊結部のゆるみ / 布と腕木の緊結部のゆるみ / 建地の継手・ジョイントピンの状態 / 筋かい・斜材の取付部のゆるみ |
| 第3号 | 緊結材及び緊結金具の損傷及び腐食の状態 | クランプ (直交・自在) の損傷・腐食 / くさび緊結部品の破損・摩耗 / 番線・ターンバックル等の腐食 |
| 第4号 | 足場用墜落防止設備の取りはずし及び脱落の有無 | 手すり (高さ 85cm 以上) の取付・脱落の有無 / 中桟 (35〜50cm) の取付・脱落の有無 / 妻側 (短辺) の墜落防止設備の有無 / 開口部 (昇降用) の落下防止措置 |
| 第5号 | 幅木等の取付状態及び取りはずしの有無 | 幅木 (高さ 10cm 以上) の取付・取りはずしの有無 / メッシュシート・防網の取付状態 / 手すり枠 (一体型ガード) の取付状態 |
| 第6号 | 突りようと足場との緊結部の状態 | 突りようと足場の緊結状態 / つりワイヤー・つり鋼線の損傷・腐食 / 突りようの強度・腐食 (鋼材の損傷) |
| 第7号 | 控えの取付状態及びゆるみの状態 | 控え (控え柱・控えワイヤー) の取付位置・間隔 / 控え部材のゆるみ・たるみ / 筋かい (交差ブレース) の脱落・損傷 |
| 第8号 | 建地、布及び腕木の損傷の有無 | 建地の曲がり・へこみ・腐食 / 布材の曲がり・損傷 / 腕木 (ジャッキベース含む) の固定状態 |
| 第9号 | 突りよう、控え、壁つなぎ等の取付部の取りはずし及び脱落の有無 | 壁つなぎの取付間隔 (垂直 5m・水平 5.5m 以内) / 壁つなぎの脱落・破損の有無 / 突りよう・控え取付金具の脱落の有無 |
画面左下「点検条件」パネルで 足場の種別 を切り替えると、その種別に該当しない号は自動的に薄く表示 (または「対象外の号を隠す」がオンなら非表示) になります。 点検者の見落としを構造的に防ぐ仕組みです。
基本的な使い方
操作は次の 3 ステップです。チェック内容と現場情報は URL に自動で保存されるため、ページを閉じて開き直しても続きから入力できます。
STEP 1 | 足場種別と点検タイミングを選ぶ
画面左下の 「点検条件」 パネルで足場の種別 (枠組・単管・くさび緊結・つり・移動・棚・張出し) と、 点検タイミング (始業前 (第1項) / 組立・変更・悪天候後 (第2項)) を選びます。 例えば「枠組足場の組立後」を選ぶと第2項 1〜5・7〜9号 (6号は突りようと足場の緊結部のため対象外)、 「つり足場の組立後」を選ぶと第2項 1〜7・9号 (建地のない構造のため8号は対象外) が表示されます。
STEP 2 | 各号の項目をチェックする
メイン画面に第2項 1〜9 号の各号セクションが並びます。配下のチェック項目ごとに 「良 / 否 / 該当なし」 の 3 値ボタンで結果を選びます。 「否」を選んだ項目には補修処置・備考の入力欄が表示されるので、現場で行った補修内容や今後対応する内容を 1 行で記入します。 画面最上部の サマリーバー で対象項目数と「良 / 否 / 該当なし」の集計を常時確認できます。
STEP 3 | 現場情報を入れて PDF 出力 / URL 共有
画面右上の ☰ アイコンからサイドバーを開き、工事名・現場名・注文者・点検者氏名・点検年月日・天候 を入力します。 点検者氏名は第567条 第3項で求められる「事業者があらかじめ指名した者」を記録する欄です。 最後に「PDF 帳票を保存」を押すと A4 1 枚に点検結果が書き出され、「この点検結果を URL で共有」でパスワード保護付き URL を生成できます。
つり足場・始業前点検の特例
第567条 第2項の対象号は、足場の種別と点検タイミングによって読み替えが行われます。本ツールはこの読み替えを自動で行います。
| 足場種別 | 始業前 (第1項) で重点点検 | 組立・変更・悪天候後 (第2項) |
|---|---|---|
| 通常足場 (枠組・単管・くさび・移動・棚・張出し) | 1, 4, 5 号 | 1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 9 号 (6 号除く) |
| つり足場 | 1, 4, 5 号 | 1〜7, 9 号 (8 号除く) |
通常足場で第6号 (突りようと足場の緊結部) が対象外なのは、「突りよう」がつり足場固有の構造だからです。 一方、つり足場で第8号 (建地・布・腕木の損傷) が対象外なのは、つり足場には「建地」がないためです。 本ツールは種別を切り替えるたびに号フィルタを自動で組み替え、画面上は対象外の号を半透明 (またはユーザー設定で非表示) で示します。
共有 URL と PDF 帳票の使い方
サイドバーの「この点検結果を URL で共有」ボタンを押すと、現在の点検結果 (各号のチェック・補修処置)・足場種別・現場情報・特記事項を含む URL が生成されます。 パスワードを設定すれば URL は暗号化され、パスワードを知っている人だけが内容を復元できます。暗号化はブラウザ内で行い、内容はサーバーに送られません。
PDF 帳票は A4 1 枚で、ヘッダーに点検タイトル・作成日・QR コード、計算条件欄に「足場種別・点検区分・工事名・現場名・注文者・点検者・点検年月日・天候・結果サマリー」、本文に第2項 1〜9号 (対象号のみ) の点検結果一覧と補修処置、最後に特記事項と免責文を配置します。 QR コードは共有 URL を埋め込んでいるため、印刷した A4 をスマホで読み込めば同じ点検結果をそのまま画面上で開けます。
現場で点検結果と一緒に写真も残したい場合は、工事写真台帳 PDF でセットの台帳を作るとスムーズです。 点検前の作業計画段階の安全打ち合わせは KY活動・リスクアセスメント評価 と組み合わせて運用するのがおすすめです。
注意点と使い分け
- 本ツールは参考様式です: 出力された PDF が個別の発注書類・労働基準監督署への提出書類の要件を完全に満たすかは保証できません。発注者・元方事業者が指定する書式がある場合はそちらを優先してください。
- 記録の保存責任は事業者: 第567条 第3項では「足場を使用する作業を行う期間」の記録保存が義務付けられています (改正前は 3 年)。PDF をダウンロードして紙またはクラウドストレージ等で確実に保存してください。
- 移動式足場の始業前点検: 移動式足場 (ローリングタワー) の始業前点検は安衛則 第194条の22 でも別途規定があります。本ツールは第567条ベースで統一しているため、必要に応じて社内手順書と併用してください。
- つり足場の関連条文: つり足場には第575条 (作業床・幅木) や第574条 (材料・構造) など別の条文も関連します。本ツールでカバーするのは第567条 第2項 (種別読み替えあり) の範囲です。