デジタル水準器・勾配計 - 使い方ガイド
スマホの加速度センサーで水平・勾配・角度を実測。度/%/‰/1:n/N割を切り替え表示し、排水勾配・法面勾配の現場確認に。複数地点を A4 PDF 帳票と暗号化共有 URL で残せる、登録不要・端末完結の計測ツール。
使い方ガイド
デジタル水準器・勾配計は、スマホやタブレットに内蔵されている加速度センサーを使って、 水平・勾配・傾斜角度をその場で計測するためのウェブツールです。 排水管の勾配 (1/100 など) ・法面の勾配 (1.5 割など) ・配管の取り付け勾配 ・ 内装下地の水平確認 など、建設・土木の現場で 「物理水準器を持ってきていない」「物がきっちり水平か今すぐ確認したい」場面に使えます。
一般的な水準器アプリと違うのは、建設業界で使う 5 種類の単位(度・% (パーセント勾配) ・‰ (パーミル) ・1:n (比率) ・N割 (法勾配)) を相互に切り替えて表示できる点、複数地点を 記録 として残してそのまま A4 帳票 PDF や暗号化共有 URL で書き出せる点、登録不要・端末完結で動く点です。
一方で精度は物理の精密水準器には及びません。スマホセンサーの実用精度は ±0.2° 前後で、 DIY ・ 現場確認・ラフな勾配チェックには十分ですが、 レーザー水準器や精密気泡管が前提の用途には適しません。あくまで補助ツールとしてお使いください。
使い方
初回起動時、iOS Safari ではセンサー使用の許可が必要です。 右上のサイドバーを開き、「センサーの使用を許可」ボタンを押してください。Android・PC の Chrome / Edge では自動で有効になります。
STEP 1 | 計測モードを選ぶ
左下の 「計測設定」パネル で「1 軸 (勾配)」か「平面 (水平)」を選びます。
- 1 軸 (勾配): スマホの背面や端を計測物 (配管・床面・法面など) に押し当てて、 長軸方向の傾きを 1 つの角度として読み取るモード。 排水勾配や屋根勾配のチェックに向いています。
- 平面 (水平): スマホを計測物の上に伏せて置き、2 方向の傾きを丸い気泡管で同時に確認するモード。 「机が水平かどうか」「タイルが歪んでいないか」といった面の水平確認に使います。
STEP 2 | キャリブレーション (基準補正)
スマホの個体差や机自体の傾きを補正する場合は、 「計測設定」パネルの 「現在値をゼロにする」 を押します。 その瞬間の姿勢が基準角 (0°) として扱われ、以後の表示はそこからの相対角になります。 補正値は画面に offset: ±N.NN° と表示され、 「補正をリセット」で 0 に戻せます。
STEP 3 | 表示単位を切り替える
同じ「計測設定」パネルで 表示単位 を選びます。 現在の角度がそのまま単位を変えて表示されるので、 排水勾配なら % / ‰、屋根なら 1:n、法面なら N割 と切り替えながら確認できます。 単位ごとの意味は後述の 勾配単位の使い分け を参照してください。
STEP 4 | 計測点を「記録」に追加する
計測した値をその場で残すには、「計測設定」パネル下部の「現在の値を記録」 を押します。 記録は最大 20 件まで、サイドバーの一覧に追加され、それぞれにラベル (例: 「玄関ホール」) を付けたり個別に削除できます。最大値保持 モードを ON にしている時は、 「|角度| が最大になった時の値」がそのまま記録されます。動きながら測る用途 (家具に押し当てて離す瞬間の傾きを取りたい等) で便利です。
建設現場での勾配単位の使い分け
勾配の単位は分野ごとに慣習が違います。本ツールは現場でよく使う 5 種類を リアルタイムで切替表示できるので、図面が % で書かれていても、現場の親方が 「2 割勾配で」と言っていても、同じセンサー値で読み替えられます。
| 単位 | 意味 | よく使う分野 |
|---|---|---|
| 度 | 水平面からの角度 (0〜90°) | 一般用途・図学・物理。万能だが現場用語との橋渡しが必要 |
| % | 水平距離 100 に対する高さの比 (×100) | 排水勾配 (建築設備)、道路勾配、スロープ (バリアフリー) |
| ‰ (パーミル) | 水平距離 1000 に対する高さの比 (×1000) | 鉄道勾配、長距離の下水道本管、緩い勾配を読みやすく |
| 1:n (比率) | 垂直 1 に対する水平 n | 屋根勾配 (1:2、1:3 など)、配管の取り付け勾配 |
| N割 | 1:N と同義 (= 垂直 1、水平 N) | 法面勾配 (法切り・法尻)。「2 割勾配」= 1:2 |
具体例 — 排水勾配 1/100 とは
建築設備で「排水勾配 1/100」と言ったら、水平距離 100 に対して 1 だけ下がる勾配 という意味です。 これを単位ごとに表すと:
排水管の標準は管径 75mm 以下で 1/50 以上、100mm 以上で 1/100 以上が目安。 勾配が緩すぎると排水不良 (固形物が流れない)、急すぎると水だけが先に流れて固形物が残る 「サイホン現象による取り残し」が起こります。図面が 1/100 で書かれていても、 現場の親方が「角度で 0.5° くらい」と言っているのと同じ勾配です。
具体例 — 法面の「2 割勾配」とは
土木で「2 割勾配」と言ったら、水平 2 に対して垂直 1 下がる勾配(= 1:2 = 50%) という意味です。これも単位を読み替えると:
切土の標準法面勾配は地質によって 1:1.0 (1 割) 〜 1:1.5 (1.5 割) 程度、 盛土なら 1:1.5 〜 1:2.0 程度が一般的です。 法面勾配は安息角 (土砂が崩れずに止まる限界角度) を超えないように設定するので、 現場でセンサー値が法面の規定勾配を上回っていないか確認するのに使えます。
計測結果の出力 (共有 URL / PDF 帳票)
記録した計測点は 2 つの方法で残せます。いずれもサーバーには保存されず、 端末の中だけで処理されます。
共有 URL
サイドバーの「記録と設定を URL で共有」を押すと、その時点の現場名・モード・単位・キャリブレーション値・全記録を含んだ URL を生成します。パスワードを付けると暗号化されたリンクになり、 パスワードを知っている人しか中身を見られません (暗号化はブラウザの中で行われ、内容はサーバーに送られません)。 社内チャットや SMS で送って、別の人の端末でも同じ計測結果を再現できます。
A4 PDF 帳票
「PDF を保存」を押すと、現場名・計測モード・キャリブレーション値・全記録を A4 1 枚にまとめた PDF を生成します。各記録は 5 つの単位 (度 / % / ‰ / 1:n / N割) すべてで表記されるので、図面の単位が違っていても読み合わせができます。 PDF には QR コードも付き、スマホで読み込めば同じ設定で本ツールを開けます。